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大林モータースでの故障修理の作業風景。修理か乗り換えかを考えるコラムのカバー写真

僕が車の「余命宣告」をやめた理由

10月24日
読了時間: 3分

更新日:4 日前

昔の僕は、お客さんに車の状態を説明するとき、ずいぶん言い切った伝え方をしていました。

「この車は、あと1年しか乗れません」「もうお金をかけても駄目だと思います」

もちろん、いい加減に言っていたわけではありません。整備士として見てきた故障の経験や、車の状態から考えれば、そう判断する理由はありました。むしろ、分かっていることは正直に伝えた方がいいと思っていました。



伝え方が変わった理由


ただ、この2〜3年で少し考え方が変わってきたんです。

例えば、年数を重ねた車に不具合が出たとします。僕らは点検して、今どこが悪いのか、次にどんなトラブルが起こり得るのかを説明できます。でも、その車があと何年走れるのかを正確に言い当てることは、誰にもできません。

それに、車に何を求めるかは人によって違います。できるだけお金をかけずに移動手段を確保したい人もいれば、思い入れのある一台に、できる限り長く乗りたい人もいます。同じ故障でも、選ぶ答えが違って当然なんですよね。



選択肢を一緒に考える


だから最近は、「もう駄目です」と結論だけを渡すのではなく、現在の状態、修理するなら何が必要か、それにどんな費用やリスクがあるかを伝えて、いくつかの選択肢を一緒に考えるようにしています。

その結果、修理して乗り続ける人もいれば、乗り換える人もいます。どちらでもいいと思っています。大事なのは、お客さん自身が理解して、納得した上で決められたかどうか。

実際、同じように車を手放すという選択になったとしても、納得して決めた人は笑顔で降りられることがある。そこに、僕が整備士としてできる仕事の価値があるんじゃないかと感じるようになりました。


車屋の仕事は、車を直すことだけではないのかもしれません。車の状態を分かりやすく伝え、その人が自分に合った選択をする手助けをすることも、大切な仕事だと思っています。

車の未来を決めるのは整備士ではなく、その車と付き合っていく持ち主です。だからこそ僕は、余命を宣告するより、これからどうするかを一緒に考えられる整備士でありたいと思っています。



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この記事を書いた人


大林 竜輔

有限会社大林モータース 代表取締役/一級自動車整備士


香川県丸亀市で自動車整備工場「FUN CUBE from 大林モータース」を運営。


「技で楽しむ輪をつなぐ」を理念に、車やバイクを通じて人と人が楽しめる輪を広げることを目指しています。


整備では「直すか、買うか、やめるか」を基本姿勢に、車の状態だけでなく、使う人の事情も踏まえた判断を大切にしています。


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